第1局
谷川九段名人戦に登場。久々の登場で今期名人戦は盛り上がりそうだ。光速流vs鉄板流、対極な気風に着目しようと思う。
第1局は後手森内名人の一手損角換りに。先手谷川九段が早繰り銀で対抗し、互いに居玉の状態で仕掛けた。
図は封じ手の局面。いきなりの▲7四歩は谷川らしい。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ 歩 ・v銀 ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・v歩 ・ ・ 銀 歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:角 歩
【手数=29 ▲7四歩 まで】
封じ手は△7四同歩。△6四角も考えられるが、堂々取ってしまう方が森内らしい。
少し進んで下図。後手は先手の飛車を歩の連打で止めているので、ここでは先手がだいぶ歩を得している。先手の模様が良さそうか。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:角 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂 ・v歩v歩 ・ ・ ・|三
| ・v飛 ・ 銀v銀 ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・v歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:歩三
【手数=55 ▲6四銀 まで】
ここから△6三銀▲2五飛△2三歩▲7五銀△3四飛▲2八飛△3三桂▲7六銀△4五銀と進んだ。
△6三銀が森内らしい柔らかい手。先手の調子が良さそうだが△4五銀まで進むと先手の攻めは一息ついてしまった。
図は▲3五歩に3四の飛車を△5四飛と逃げたところ。ほんとうに先手の攻めは一息ついたのか。それとも光速流の範疇なのか。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:角二 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉 ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v金 ・v歩v歩v桂v歩 ・|三
| ・ ・v歩 ・v飛 ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 銀v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:銀二 桂 歩二
【手数=76 △5四飛 まで】
▲6四銀打△9五角▲7七桂△7五歩▲5五銀打△6四金▲5四銀△同金▲7四歩△7二銀▲9六歩△8四角▲8五桂△8二銀と進んだ。
先手は▲6四銀打と飛車を捕獲に行くが代償は大きい。△7二銀△8二銀と自陣に投入して後手陣が手厚くなった。ここまで進むと後手優勢がはっきりしたようだ。
124手で森内名人が勝利し幸先の良いスタートを切った。
両雄の気風がよく表れた好局だった。第2局以降も好局が期待できそうだ。
#一言日記:番外でも名人戦が。時期を選べなかったのか、という印象は強い。
[2006/04/14 01:10]
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第2局
第2局は後手谷川九段がごきげん中飛車を採用、飛車を角を成り合う最も激しい変化になった。
研究の範疇なのか森内名人の指し手は早かった。図は封じ手の局面。▲8二銀で後手谷川が手を封じた訳だが、消費時間は森内1時間0分、谷川6時間11分と随分差がついた。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:角 香 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀 ・ 龍|一
| ・ 銀v銀v玉v飛 ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 香 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
|v馬 桂 ・ 金 玉 ・ 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:歩二
【手数=29 ▲8二銀 まで】
封じ手は△5四香。以下▲4三桂成△5一飛▲8一銀成△同銀▲5三桂と進んだ。
ここで△5七歩と攻め合いに行くと思っていたので△5四香は意外だった。本譜は▲5三桂が厳しく後手支えきれそうもない。
△5四香は攻防の手だが、谷川らしくない手だったと思う。また香を打つなら5三の方が勝ると思う。△5三香なら▲5三桂がない。
図は▲1二龍の王手に△2三歩と合駒して▲2三歩と合わせたところ。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v銀 ・v金v飛v金v銀 ・ ・|一
| ・ ・v銀v玉 ・ ・ ・v歩 龍|二
|v歩v歩v歩v歩 桂 圭 ・ 歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v香v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 香 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
|v馬 桂 ・ 金 玉 ・ 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:歩
【手数=39 ▲2三歩 まで】
ここから△5六香▲2二歩成△4二銀▲3二とと進んだ。
△5六香は△5四香の継続手だがこれでは明らかに攻め合い負けだ。
ここでは△3二銀で後手も粘れるという控え室の予想だったようだ。▲2二龍には△3一金がある。
以下は形作りにもならない将棋になってしまい、夕食前に終局してしまった。森内名人2連勝。谷川九段の巻き返しに期待する。
#一言日記:明日からGW連休だ。予定は色々立てたが、とにかく引っ越しの荷物を片付けなければ。
[2006/04/28 23:00]
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第3局
第3局は矢倉。
図は▲3五歩と打ったところ。矢倉らしく互いに4一と6九に角を打ち合う展開になっているが、先手の角は死にそう。先手が攻めを繋げるかという将棋になりそうだ。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ 角 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・ 歩v銀v歩v歩v銀 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| ・ ・ ・ 歩 歩 銀 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・v角 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:歩
【手数=63 ▲3五歩 まで】
ここから△4二金寄▲3四歩△4一金▲3五銀△3二金▲2四歩△同歩▲5八銀△7八角成▲同玉△2五金▲2四銀と進んだ。
角銀交換となったが谷川九段は▲3五銀と銀を前進させた。と思いきや▲5八銀と一転先手も角を殺しにきた。△7八角成▲同玉と先手陣を薄くして△2五金としたところでは森内名人らしい強防手順で、後手ペースかと思っていた。
対する▲2四銀は光速流の一手。戻って▲5八銀は谷川九段らしくない手だったが冷静な好手だった様だ。
図は△4六角打と攻防の角を打ったところ。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:銀 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| 龍 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v玉|二
|v歩 ・ ・v歩 ・v金 ・v金v歩|三
| ・ ・ 歩v銀v歩v歩 歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 歩v角 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 金 ・ ・ ・v歩 ・|七
| ・ ・ 玉 ・ 銀 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:桂 香
【手数=92 △4六角打 まで】
ここから▲同飛△同角▲1五桂△7九飛▲8八玉△2四金▲2三香と進んで先手勝勢となった。
飛車を渡すと△7九飛の反撃が怖いが、ここはバッサリ▲4六同飛が成立した。▲1五桂がとても早く▲2三香が決め手。
△4六角打は攻防だが、同じ角を重ねて打つなら△2四角打ちが勝った様だ。
本局は鉄板流の盾を光速流の矛が破った感じ。谷川九段が1勝を返して面白くなってきた。
#一言日記:プロ野球は交流戦が始まった。セリーグは巨人が独走しているが、交流戦ではパリーグの全チームがエース級を巨人にぶつけて来そうでセリーグのゲーム差が縮まることを期待している。
[2006/05/14 01:20]
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第4局
ここまで全局違う戦型で楽しませてもらっている今期名人戦だが、本局は後手谷川九段の四間飛車。対する森内名人は3五歩と突き捨ててから4六歩とする急戦。一目無理筋そうという印象は61期名人戦第3局から変わっていないが、森内名人は四間飛車相手ならこの戦法と決めていたようだ。最近では第24回朝日オープン第1局でも出現しており、対四間飛車の最新形の一つ。
図は▲4六銀に△4七歩と叩いたところ。ここは△7一玉が自然な気がするが、▲4五銀△同銀▲同飛△3四銀の進行は不満という認識なのだろう。しかしここで叩かなければならないようでは四間飛車側も容易ではなさそうだ。
ここでは▲4七同飛と▲4七同金があるが。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀v玉v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩v銀 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・v歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:歩
【手数=32 △4七歩 まで】
ここから▲同飛△4四角▲同角△同飛▲2二角△7四飛▲4八飛△3三角▲同角成△同桂▲6五角△8四角と進んだ。
先の朝日オープンの羽生は▲同金と応じたが、森内は▲同飛。この後も実戦例があり、▲6五角までは今期朝日オープン準々決勝深浦vs藤井戦と同様とのことだ。
△8四角で前例と離れた。ちなみに藤井は△8四角で△7一玉。△8四角もなかなか有力な手だ。
少し進んで下図。△2五銀と歩切れを解消したところ。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀v玉v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・v角v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v桂v歩v銀 ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 金 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:飛 歩三
【手数=52 △2五銀 まで】
ここから▲5八金△6四歩▲4六歩△6五歩▲同銀△3九角▲3八飛△5七桂成▲同金寄△同角引成▲同金△同角成▲6六桂と進んだ。
5七の地点を攻めきれば後手優勢になりそうだが、▲5八金が森内名人らしい柔らかい受けだ。狙い通り5七に馬を作りつつ金二枚を入手した後手だが▲6六桂が味の良い手で後手の攻めは思った程効果がなかった。
局面は完全に森内ペースになった。下図は▲3五飛と走ったところ。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:金 香 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ 飛 ・ ・v香|一
| ・ ・v銀v玉v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・v金v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
|v歩 ・ ・ 銀 ・ ・ 飛v銀 ・|五
| ・ ・ 歩 桂 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂v馬|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:角 歩四
【手数=71 ▲3五飛 まで】
ここから△3四金▲3九飛△7一玉▲3七歩と進んだ。
△3四金は劣勢を認識しての手だろうが、およそ谷川らしくない。粘着系振り飛車党ならばまだまだ粘る気満々の局面かもしれないが既に谷川の闘志は萎えてしまっていたようだ。
▲3七歩は馬を遊び駒にする手筋だが、飛車を捌くより馬を封じ込めることを優先したのも森内らしい。
以降は危なげなく107手で森内の勝利となった。防衛まであと1勝。
#一言日記:MacBookが発表された。かなり欲しい。
[2006/05/21 02:20]
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第5局
谷川九段にとって後のない本局は矢倉戦となった。双方早囲いを目指したため定跡形ではない将棋となった。
図は▲2五歩としたところ。封じ手だ。△2二玉に呼応した手で、予想では▲8八玉と二分していたが、▲2五歩の方が谷川らしい手と思う。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛v銀v金 ・ ・v玉 ・|二
|v歩v歩 ・v歩 ・ ・v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v角v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ ・ 歩 歩 角 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:歩
【手数=33 ▲2五歩 まで】
ここから△5三銀▲8八玉△4二銀右▲6四角△同歩▲7三歩△同桂▲8一角と進んだ。
△4二銀右が波乱を生んだ。銀矢倉の好形を得ようとした手だが、この瞬間がいかにも中途半端だ。案の定、角交換から▲7三歩と動かれた。これで先手は馬が確定だ。
受けに自信がある森内名人だからこその着想だとは思うが、光速流を誘発する結果となった。
先手は一旦馬は消されるものの再度馬を作った。依然先手優勢か。後手は飛車を3筋に展開し、逆転を狙っている。
図は▲5六馬の飛車取りに△4五桂としたところ。
後手:森内俊之名人
後手の持駒:角 歩七
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v金 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v銀v歩v飛v銀 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・v歩 ・|五
| ・ ・ ・ 歩 馬 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 金 ・ ・ 歩 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:谷川浩司九段
先手の持駒:銀
【手数=84 △4五桂 まで】
ここから▲同桂△同銀▲同銀△3九飛成▲3四銀と進んだ。
遂に△3九飛成と3筋に飛車を回った時からの狙いを成就させたが、飛車取りに構わず▲3四銀が成立しては勝負あり。
谷川は土壇場で踏ん張り2勝目を挙げた。
#一言日記:最近掲示板に不適切な書き込みが急増した。現在止むなく公開方式を変更している。スパムメールといい困ったものだ。
[2006/06/04 00:50]
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第6局
第1局に第6局も続いて一手損角換りとなった。
手順のあやはあるものの前例を踏襲した進行となった。そのためか、一日目はスラスラ進んで52手目が封じ手となった。
封じ手は△9五歩だが、ここまではタイトル戦でも頻出で第76期棋聖戦第1局(羽生○vs●佐藤)、第46期王位戦第7局(佐藤●vs○羽生)、第18期竜王戦第1局(渡辺○vs●木村)がある。
前例では後手がやや苦戦している。やはり手を変えたのは後手。下図の△3五歩で前例を離れた。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・ 馬 ・v歩v金v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・v歩|四
| 歩v桂 銀 歩 ・ 歩v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:歩四
【手数=60 △3五歩 まで】
ここから▲8六歩△3六歩▲8五歩△3七歩成▲同馬△7四歩▲8六銀△6六桂▲7七金△5八桂成▲同飛△7五歩▲2八飛と進んだ。
先手は▲8六歩から8五の桂を取りに来た。後手も△3七歩成として互いに桂馬を取り合った。△7四歩▲8六銀としてから△6六桂で7八と5八の金に褌桂が掛かった。
金を取って△7五歩としたところでは、とりあえず後手の駒得だし、谷川らしい細い攻めが繋がっている雰囲気と思った。しかし桂馬の両取りの時▲7七金としたのが森内名人らしい手。さらに△7五歩に▲2八飛としたのも落ち着いており森内名人の鋼鉄の受けの真骨頂だ。
図は大詰めの終盤戦。▲1三歩△同桂としたところ。4三歩の楔も厳しく先手優勢。
後手:谷川浩司九段
後手の持駒:歩五
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・v金 ・v玉|二
| ・ ・ ・ ・v歩 歩v銀v歩v桂|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ 桂|四
| 歩 歩 ・ 歩 桂v金 ・ 歩v歩|五
| ・ 銀 金 ・ 銀v角 歩 ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ 歩 馬 ・ ・ ・|七
|v歩 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:森内俊之名人
先手の持駒:香 歩
【手数=102 △1三同桂 まで】
▲3五歩△5六金▲同馬△5五角▲同馬△同銀▲3四歩
まで109手で森内の勝ち。
▲3五歩が手筋で将棋も筋に入ってしまった。△5六金は首を差し出した手に思える。谷川光速流は不発に終わった。全体を通して谷川の細くて鋭い攻めが森内の鉄板の受けにいなされた印象がある。
これで森内も名人4期、永世名人にリーチだ。来期羽生が挑戦して、十八世名人を賭けて戦うのが分かり易くて良いと思う。
#一言日記:ワールドカップ、クロアチア戦0ー0で終了。緒戦オーストラリアにまさかの敗戦を喫した日本だが、勝ち点1が精一杯だった。
フォワードの得点力がないのは、すっと指摘されている。翼君がミッドフィルダーなので皆がMFを目指した結果、FWの選手層が手薄になった?
[2006/06/19 02:00]
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