第2局
竜王戦第2局は羽生が勝って1−1のタイに。竜王戦は藤井システムに対し羽生五冠がどんな戦法をチョイスするのかが見どころの一つなので、ちょっとおさらいしておこう。
第1局は▲7六歩△3四歩▲6六歩△4四歩▲7八銀△4二銀▲6七銀△4三銀と後手の羽生が早々と角道を止めて相振りを臭わせる出だしで力戦調の将棋になった。
そして第2局。後手藤井竜王はいつもの四間飛車、対する先手羽生五冠は3五歩と位を取る準急戦を採用していた。さかのぼって王座戦を振り返ると、
第1局:羽生●ー○藤井:西田スペシャル模様vs四間飛車
第2局:藤井●ー○羽生:藤井システム4七銀型vs居飛穴指向
第3局:藤井○ー●羽生:藤井システム4七銀型vs居飛穴指向(千日手指し直し局)
第4局:羽生○ー●藤井:4五歩早仕掛けvs四間飛車
第5局:藤井●ー○羽生:四間飛車vs5七銀右(後手番なので正確には5三銀右?)
ということで王座戦第4局から急戦策を連続採用していることになる。だからといって第3戦以降も急戦一本と見るのは早計だろう。今後も多彩な羽生将棋に期待。
[2000/11/03 旧日記&備忘録より]
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第3局
竜王戦第3局は藤井が勝って2−1になった。先手藤井はおなじみの藤井システム。注目の後手羽生の作戦は△4四角〜2二銀から西田スペシャルかと思いきや△4二金直からの地下鉄飛車含みの構想だった。
勝負は激しい玉頭戦を制した藤井に軍配が上がったが、結局実現しなかった地下鉄飛車構想の一環として上がった△1二香が無駄手になっており振り飛車の駒組み勝ちという印象だ。
西田スペシャルと地下鉄飛車(角田流だっけ?)って、まったく違う作戦だけど序盤の駒組が似てるのね。
[2000/11/17 旧日記&備忘録より]
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第4局
竜王戦第4局は藤井が勝って3−1になった。七冠の夢再びと頑張っている羽生にとってこの竜王戦は大きな壁となって立ちはだかっている。
注目の羽生の作戦は意外にも左美濃だった。図は▲9八香(封じ手)に△3三桂とした局面。▲9八玉と潜るのが相場の手だが...。
後手:藤井猛竜王
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀v角 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・v金 ・ ・v桂v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀v飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 歩 歩|五
| 歩 歩 歩 歩 歩 ・ ・ 飛 ・|六
| ・ 銀 銀 金 ・ 歩 歩 ・ ・|七
| 香 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ 桂 角 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治五冠
先手の持駒:なし
【手数=50 △3三桂 まで】
▲4六歩△5五歩▲同 歩△3六歩▲同 飛△3五銀▲1六飛△4六歩▲同 角△3六歩▲3五角△同 角▲3六飛△5八角▲4三銀
ここで▲4六歩はちょっとちぐはぐな感じだ。△3三桂を待って仕掛けたのか既に後手リードの局面と判断しての勝負手だったのか?
実際先手の動きを咎める展開になった。下図の▲4三銀に対して大技が出た。
後手:藤井猛竜王
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・v金 ・ 銀v桂v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・v角 歩 歩|五
| 歩 歩 歩 歩 ・ ・ 飛 ・ ・|六
| ・ 銀 銀 金 ・ ・ 歩 ・ ・|七
| 香 玉 金 ・v角 ・ ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治五冠
先手の持駒:歩四
【手数=65 ▲4三銀打 まで】
△7九角成▲同 玉△3六飛▲同 歩△6九飛▲8八玉△6七角成▲同 金△同飛成
なんとも派手な手があったものだ。△7九角成と角を捨てて飛車交換をしたのが用意の手だった。左美濃の金2枚を剥がしてガジガジワールドの終盤戦に突入だ。こういう展開になると藤井竜王は滅法強い。ガジガジと寄せてしまった。
この攻めは先手玉が8八にいるからこそ成立している。9九玉(または9八の米長玉)ならば△7九角成が王手にならず成立しないのだ。してみると▲4六歩がやや疑問で藤井竜王が的確に咎めた将棋と言えるかも知れない。
[2000/11/26 旧日記&備忘録より]
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第5局
竜王戦第5局は羽生五冠が勝って3−2になった。羽生の作戦は意外にも棒銀だった。
後手:羽生善治五冠
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・v金v金v玉v角 ・|二
| ・ ・ ・ ・v銀v歩 ・v歩 ・|三
|v歩v銀 ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|六
| 香 歩 ・ ・ ・ 金 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ 角 銀 玉 ・|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:藤井猛竜王
先手の持駒:歩
【手数=42 △6五歩 まで】
図は定跡書に出ている棒銀の仕掛けだ。棒銀がタイトル戦に登場するのは珍しいと思う。またここから居飛車が良くなる展開は考えにくく羽生五冠が本譜に誘導したのは意外だった。
ここから▲5五歩△同角▲6七銀△7八飛成▲同銀△6六歩▲6一飛△7九飛▲7七銀△6七歩成▲8四角△8九飛成▲6七飛成△1五歩▲6一龍
と進んでいる。居飛車の手はさすがに最強の手だがこれで振り飛車が悪くなるとは思えない。この将棋藤井竜王著「四間飛車を指しこなす本1」に載っていて△6六歩の局面が同書の問159になっている。
ちなみに△6六歩には▲7七銀が正解で、以下△7九飛なら▲6六銀△2二角▲7七桂。△6七歩成なら▲8四角△7七と▲6一飛で「まだ難しいが振り飛車やや指せる分かれ」と解説してある。
本譜は▲6一飛と「四間飛車を指しこなす本1」と違う手を指した。これは銀桂交換の駒得で局面を収めて優位に立とうということだろう。
後手:羽生善治五冠
後手の持駒:桂 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ 龍 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・v金v金v玉 ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・v銀v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 角 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・v角 ・ ・ ・v歩|五
| 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 香 歩 銀 ・ ・ 金 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| ・v龍 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:藤井猛竜王
先手の持駒:銀 歩二
【手数=57 ▲6一龍 まで】
しかし▲6一龍が不可解な一手で図から△7七角成▲8一龍△1六歩とあっさり銀を取らせてかつ端も詰められてしまった。駒の損得は無いが端を詰められたのは大きい。ちょっと前までは定跡書の上でも振り飛車やや良しが定説の局面が続いていたのだがここでは居飛車が良さそうだ。
これは思った程振り飛車が良くなかったことによる焦りだろうか? ボロッと銀を取らせなければ振り飛車もまだ頑張れる気がするのだが...。
いずれにしろ本局は羽生五冠が勝つには勝ったが採用した棒銀は成功していない気がする。
[2000/12/10 旧日記&備忘録より]
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第6局1日目
ご存じの方も多いと思うが、なんと竜王戦の公式サイトと呼べるページが出来た。マリオで有名な武者野勝巳プロが総括責任者で棋泉JAVA版にてリアルタイムで進行しているらしい。指し手をメールで通知してくれる「伝令サービス」なんてのもある。これは画期的なことだと思う。なにしろ棋譜には著作権なるやっかいな代物がついてまわるからだ。こういう企画は我々ファンにとっては大歓迎なので他の棋戦もどんどん追従してほしい。
ほんでもって今竜王戦第6局はやはりというべきか羽生五冠は急戦指向の将棋を目指して来た。藤井四間は▲4六歩のタイミングで△5六銀として単騎銀の構えだ。封じ手は以下の局面。
後手:藤井猛竜王
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩 歩v歩v歩v角v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・v銀 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治五冠
先手の持駒:歩
【手数=40 △2四同角 まで】
図は▲2四歩の突き捨てに△同角と応じた局面。左金が4一なのが藤井竜王の工夫の様だ。
▲2四同飛〜4三角は無理っぽい感じ。すると一本▲7四歩と媚びんに嫌みをつけるか? 先手の指し手は難しそうだ。
明日は会社からちょこっと覗いてみようと思う。
[2000/12/14 旧日記&備忘録より]
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第6局2日目
竜王戦第6局は羽生五冠が勝って3−3のタイにになった。今回は会社から例のサイトを時たま覗いて指し手を早めに知れたのが良かった。やはりリアルタイム(に近い)情報は貴重で大盤解説を見るのと似た感覚で楽しめた。
封じ手の辺りは振り飛車党の私としては難しいながらも後手が良さそうだと思ったのだが...。
後手:藤井猛竜王
後手の持駒:香二 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・v玉 ・ ・v歩 龍v歩 ・ ・|二
|v香v歩v銀 ・v馬 ・v金 ・ ・|三
| 歩v香 ・v歩 ・ ・ 桂v歩v歩|四
| ・ ・v銀 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|五
|v桂 ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 ・ 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 銀 ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・v龍|九
+---------------------------+
先手:羽生善治五冠
先手の持駒:金 桂 歩三
【手数=96 △8四香打 まで】
図は▲9四歩に対して、△8四香とした局面。△8四香は急ぎ過ぎだったかもしれない。ここは△9四同香ともう少し先手の攻めにつき合っていればまだ難しかったのではないだろうか。この手を境に攻め合い模様になり羽生に勝利の女神が微笑んだ。
これで羽生が角番を2局踏ん張ってとうとうタイにして七冠の夢を繋いだ。ただ全体を通じて序盤の緻密さは藤井竜王の方が上手の感じだ。得に第5局の棒銀はまるで終盤の底力のみで勝っていたデビュー当時の羽生四段を思い出すような内容だったのが気になる。
いずれにせよ20世紀最後を締めくくるにふさわしい竜王戦第7局が楽しみだ。
[2000/12/16 旧日記&備忘録より]
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第7局1日目
竜王戦最終局。今回はBS放送(を受信するためのチューナー)あり、インターネット中継(こちらは電話代がかなり心配だが)ありというちょっと前では考えられなかった好環境が整っている(加えてロングバケーション中)。
さて今世紀最後のタイトル戦は四間飛車対左美濃という戦型になった。ところで最近左美濃を指す棋士が少ない。これは四間飛車の対左美濃対策が優秀だからであろう。この辺りは藤井竜王著の「藤井システム」に詳しい。この戦法は3九玉のまま4筋と6筋の位を取ることによって左美濃に容易に金銀4枚に固めさせず、3九玉型を生かして常に玉頭攻めを狙う指し方である。また左銀は最終的には5六に腰掛けるが序盤は7八銀型で待機するのも特徴である。
しかし本局は居飛穴牽制のため早くに▲6七銀としており、また△3六歩に呼応して早めに▲2八玉と囲っているので本の内容とはかけ離れた将棋になった。1日目は下図で封じ手になった。
後手:羽生善治五冠
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v銀v銀v角 ・|二
|v歩 ・v桂v歩 ・v金 ・v玉 ・|三
| ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩|六
| 歩 歩 角 銀 歩 金 桂 ・ ・|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:藤井猛竜王
先手の持駒:なし
【手数=38 △7三桂 まで】
左美濃が出現した当初は振り飛車の勝率は悪かった(らしい)。これは振り飛車の左銀が左辺に残ってしまうのに対し左美濃は4枚の堅陣に組めるケースが多かったからだ。振り飛車側には4枚の左美濃に組ませない工夫が必要となった。
しかし図を見てみると、振り飛車の勝率の悪かった当時に近い形になっている。これは現在の常識から見れば居飛車十分ではないだろうか?
さて、封じ手は(1)▲5六銀(2)▲5六歩(3)▲9七角あたりが考えられる。
(1)▲5六銀は6五歩〜2五歩と後には引けない攻めを決行する準備だがちょっと足りない気がする。
(2)先の▲5六銀が無理なら▲5六歩として息の永い将棋にすることが考えられる。こちらが本手という気がする。
(3)▲9七角はBSで米長永世棋聖がちょっと解説していた手。△9四歩には▲8四角。ちょっと奇策っぽいが案外咎める手はなさそう。
振り飛車党の私としては何とか藤井竜王に頑張ってもらいたいところ。大山15世名人が乗り移ったような辛抱の将棋でチャンスをうかがうしかなさそうだ。
[2000/12/25 旧日記&備忘録より]
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第7局2日目
封じ手は▲5六銀だった。私は▲5六歩だと思ったが大方の予想は本譜の▲5六銀が一番人気だったようだ。しかしここから▲4五歩と2五歩を絡めた攻めは上手く行かない気がする。と思っていたら居飛車の方から△5五歩▲同角△5四金と動いて下図となった。
後手:羽生善治五冠
後手の持駒:角 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・v桂v歩 ・ ・ ・v玉 ・|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩|四
| ・v歩 ・ 歩v角 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 歩|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 金 桂 銀 ・|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ 金 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:藤井猛竜王
先手の持駒:金 銀 歩
【手数=60 △5五同角 まで】
先手から見ると角金交換の駒損でかつ飛車取りの局面だ。ここから
▲9八飛△8六歩▲2五歩△同歩▲5六金△2二角▲4四歩
と進んだ。悠然と▲9八飛には驚いたが進んでみると駒損ながら陣形の厚さで振り飛車優勢。さすが竜王、卓越した大局観に感服。その後も振り飛車優勢の局面が続いて下図。羽生五冠が△6六角と攻防の妖しい勝負手を放った局面だ。ここで印象に残った手が出る。先手の欲しい駒は?
後手:羽生善治五冠
後手の持駒:角 金二 銀 歩五
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ と ・ ・ ・|二
| ・ ・v桂v歩 ・ ・ ・v玉 ・|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ 銀 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 銀v歩 ・|五
| ・v歩 歩v角 ・ ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ ・v龍 ・ 桂 銀 ・|七
| 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 金 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:藤井猛竜王
先手の持駒:金
【手数=92 △6六角打 まで】
この忙しい局面で藤井竜王は▲8六歩と歩を取った。どうです、なんと落ち着きはらった手!
最後は先手玉は際どく詰まず、藤井竜王が竜王戦3連覇を達成した。藤井竜王に死角なし、という印象が残った第13期竜王戦だった。
破れた羽生五冠はこれで夢の2度目の七冠という大きな目標から後退してしまったが、破れて尚七冠に最も近い男であることは間違いない。来年も羽生五冠を中心に様々な名勝負が繰り広げられるであろう。
[2000/12/26 旧日記&備忘録より]
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